全社が増収

補助金特需で機械好調

 省エネ補助金による工作機械の好調が機械工具上場商社の業績を押し上げている。8月中旬までに出そろった上場9社の第一四半期決算では、ユアサ商事や山善、フルサト工業などの工作機械部門の売上高が4割近く増加した。一方、工具や工作機器、伝導機器、その他の消耗品関連も堅調に推移。8月以降は工作機械の減速も予想されるが、切削工具をはじめとする消耗品などは堅調を維持しそうだ。通期ではトラスコ中山が上方修正し、他社は期初の数字を据え置いている。

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工具、消耗品も堅調

 日本工作機械工業会(日工会)の発表によると、4―6月の工作機械内需の受注総額は1616億円となり、対前年同期比41・5%増加した。最大の理由が「地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金」(通称:省エネ補助金)だ。

 具体的にいくらの押し上げ効果があったかは不明だが、補助金総額約800億円のうち、結構の金額が工作機械に流れたようだ。「4月中旬にかけて毎晩残業し、申請書類を作成した」(ある機械商社幹部)ほどで、決算にも影響が色濃く出た。

 ユアサ商事の工作機械部門の売上高は221億円と前年同期比36・7%アップした。山善は同48・7%増の148億円。フルサト工業の機械・設備事業は40億円と65・3%伸びた。

 一方、工具や工作機器、伝導機器、そのほかの消耗品は堅調に推移。トラスコ中山は決算期の変更で対前年比を公表していないがネット通販向けが好調で、約6%売上を伸ばした。

 切削や工作機器が主力のNaITOは売上高109億円と7・8%増となったほか、大阪工機も11・4%増の52億円の売上高を記録。ただ、工具需要が工作機械の伸びに追いつかないのは「更新需要が大半で増産投資ではない」(工具商社幹部)からだ。

 伝導関連も堅調を維持。日伝は連結決算への移行で前年同期比を公表していないが、産業機器では二けた伸びたほか、伝導機器、制御機器の全部門で増収となり、約9%売上を伸ばしている。

 省エネ補助金特需に沸いた第一四半期決算だが、夏以降は工作機械のある程度の減速を予想する声が多い。それでも日工会の花木義麿会長は「国内の設備年齢を考えると更新需要はまだある。モノづくり補助金、設備投資減税なども継続するので、ある程度の水準は維持する」とみている。

 工具や機器に関しても「ユーザーや業界などによって温度差はある」(ある工具商社幹部)としながらも、「同じような状況で推移する」との見方が大半。単月での売上高を発表しているトラスコ中山の7月の売上高は対前年同月比で7%増えており、堅調を維持している。

 通期予想については、トラスコ中山が上方修正し、他社は期初の目標を据え置いている。

日本産機新聞 平成27年(2015年)8月25日号