どうする?被災時の事業復旧

 全日本機械工具商連合会(前西孝夫会長・エバオン会長)は2月~3月上旬にかけて、東京、名古屋、大阪でそれぞれ関東、中部、関西ブロック会議を開いた。今回共通のテーマとしたのが「事業継続計画(BCP)」。講演会や議論を通じて災害への対策や、被災時の事業活動の復旧対策などについて考えた。

 (関東)通信のクラウド化 

栗山氏(関東)

栗山氏(関東)

 関東ブロック会議(関谷隆雄ブロック長・関谷機工社長)では、アールシーソリューションの栗山章社長が「押さえておけば実践できる24+6のポイント」をテーマに講演。

 栗山氏は「BCPは立案するだけではなく、いかに実行できるかが重要」と話し、策定について「経営者が自ら先頭に立つことや社員の理解が必要だ」と強調した。

 運用については、実施の担当者を立てることや、社員に見えるようにすること、計画の見直しを行うことなどが必要と話した。

 自らも東日本大震災で被災した茨城機工会の小林一也会長(日立企画)は「水、電気、ガスなどのインフラは比較的どうにかなる。それ以上に、お客さんとの連絡が取れないなど通信面で困ることが多かった。通信インフラをクラウド化するなども必要ではないか」と経験を踏まえ、アドバイスした。

 3月7日、機械工具会館・出席20人

 (中部)食料備蓄、スマホ支給 

林氏(中部)

林氏(中部)

 中部ブロック会議(髙田研至ブロック長・井高社長)では、販売店の広島商事の林正人社長が自社の取り組みについて語った。

 林社長は「今から2年前ごろから顧客から求められることが多くなり、できることからBCPへの対応を始めた。

 被災時の避難ルートを独自で作成し、業務に関わるデータをバックアップ。さらに会社に3か月分の非常食を備蓄し、社員にスマホを支給し災害用アプリで伝言できるようにした。

 林社長は「今後の課題は、被災時の商品の安定供給。顧客の個別のニーズに合わせる特殊品は在庫するのが難しい」と話した。

 2月15日、東京第一ホテル東京・出席80人

 (関西)在庫分散、安定供給 

中山氏(関西)

中山氏(関西)

 関西ブロック会議(河田徹ブロック長・河田機工会長)では、トラスコ中山やジーネットなどの取り組みを紹介した。

 トラスコ中山は地震や洪水への対策で、建物に免振設備を導入し、浸水から守る防潮板を設置。電気設備は全て屋上に置き、電力は異なる変電所から2系統引き込み、被災しても停電しない。

古里氏(関西)

古里氏(関西)

 中山哲也社長は「商品の供給網は、物流拠点を全国19カ所に分散し、既存ルートが寸断しても別のルートが機能する。災害対策商品は約6ケ月分在庫している。災害が起こっても、ものづくり企業に安定して商品を届けることができる」と話した。

 ジーネットでは、災害時に社員と家族の安全確保を目的に、リスク管理委員会を設置。全社員が警備保障登録し、グループ全事業所に飲料水と非常食を備蓄している。

 商品は、東京、名古屋、大阪の物流拠点に分散し、地域間で相互供給することができ、情報システムはメインフレームをデータセンターに設置し、複数の経路により通信を継続できる。

 古里龍平社長は「背伸びしたBCPは意味がない。必要なことから一つひとつ取り組み、体制を築いていくことが大切」と語った。

 2月9日・シティプラザ大阪、出席27人

日本産機新聞 平成29年(2017年)3月15日号