全社が増収

補助金が需要喚起 機械大幅に伸び

 機械工具上場商社の2016年3月期決算が出そろった。補助金効果で機械が大幅に伸び、機器や工具もけん引される形で堅調に推移。自動化投資も好調だったほか、物流投資や海外事業、ネット向けの強化など、それぞれの戦略が奏功し、全社が増収を確保した。17年通期は、温度差はあるものの、全社合計の売上高では微増を見込んでおり、全体として16年並みを維持しそうだ。

決算

海外、ネット向け開拓

 16年3月期の期初は省エネ補助金などが後押しとなり、工作機械が好調を維持した。期末になっても「思ったより反動が少なかった」(工作機械メーカー幹部)ため、工作機械を扱う商社は売上を伸ばした。ユアサ商事の工作機械部門の売上高は1167億円(前年同期比9・9%増)、山善の同部門は817億円(同25・9%増)、フルサト工業の機械設備部門も204億円(同22・8%増)となった。

 機械にけん引され、ツーリングなどの機器や切削工具も堅調を維持。大阪工機は売上高215億円と8・5%増やし、NaITOもツーリングなどが好調で434億円と6・5%伸ばした。

 自動化や省力化などのFA投資も拡大。鳥羽洋行は期中で上方修正するなど、売上高228億円と約2割増やした。日伝も売上高を7・5%アップさせ、初めて1000億円超えとなる1015億円を記録した。

 近年増加するネット通販向けで伸ばすのがトラスコ中山。16年第一四半期決算のeビジネスルートの売上高は46億円と26・2%増やしており、通期でも173億円を見込んでいる。

 景況に関係なく、各社それぞれの戦略を進め、競争力強化を図っている。近年目立つのが物流投資だ。トラスコ中山は継続的に投資しているほか、山善、ユアサ商事や日伝も物流拠点の統合や新設を実施した。

 技術提案力アップもトレンドで、大阪工機や日伝は技術センターを設けるなど技術サポートを充実。杉本商事は子会社化したスギモトとの相乗強化を図るほか、地域密着やロボットや計測などの新商品開発、海外展開など各社独自のやり方で特長を伸ばしている。

 通期では為替や政治不安など不透明さを強調する声は多く、マイナス予想の企業も。だが17年3月期の全社合計売上高(トラスコ中山は12月期で試算)は1兆4152億円と同期比で2・4%のアップを見込むなど16年並みは維持しそうだ。

日本産機新聞 平成28年(2016年)5月15日号