日本工業大学大学院教授 横田 悦二郎氏に聞く

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「ユニット」や「軽量化」がカギ

 日本金型工業会で学術顧問を務める、日本工業大学大学院の横田悦二郎教授は「国内に戻る金型は出て行った時と内容は異なり、高度化して回帰している」と指摘する。そうした需要を獲得するために「今まで以上の技術開発や連携が不可欠だ」と話す同教授に「国内回帰の現状」について聞いた。

技術開発や連携必要

―金型は回帰していると言われますが特徴は。
 「2つのケースが考えられる。家電などでよくあるが高級機種を日本で製造するため、部品などの金型も含め丸ごと日本で造ろうとするという動きだ。しかしこうした例は少ない。もう一つは日本から出て行った時とは内容が異なって戻ってくるケースだ。国内回帰と言われるものの多くがこちらのタイプだろう」。

―異なる形とは。
 「ユーザーも日本で金型を作るなら、付加価値の高い金型を求める。だから、出て行った時よりも難しく、高度化して戻ってくる。自動車も電機も同じく、そのキーワードは『軽量化』と『ユニット化』だ」。

―具体的に教えて下さい。
 「海外では普通に射出成形をしていた部品が、軽量化のために、熱可塑性樹脂などの新素材を使うことで、これまでとは違う種類のプラ型になって戻ってくる。プレスでも超ハイテンは冷間プレスではなく熱間プレスなどになって戻って来る」。

 「ユニット化はコスト削減が目的だ。海外では複数の金型を使い別々に成形していたが、日本ではコストを下げるために一体化しようとする。金型サイズは大きくなることも多く、2色や多色成形など複合的な金型になっている」。

―複雑化、大型化への対応が必要になりますね。
 「高度化して戻って来るのだから、全く同じ金型を作っているだけでは、そうした需要は掴めない。新たな技術開発に挑戦することは必要だろう。ただ、その方向性は大型化や高度化だけでもない。例えば日本では順送プレス金型が増えているが、新興国では成形ノウハウもなく、価格の高い順送金型を購入できる余裕もない。単発型を複数使う方が安く成形できることもある。だから、新興国では安い単発型が求められていたりもする。安くて儲かる型を作るのも一つの開発だと言える」。

―ニーズに合った開発が必要ですね。しかし、経営に余裕がないのも事実です。
 「だからこそ連携がカギになる。小型を強みとする企業と大型を得意とする会社が連携すればいい。金型は設備や人が受注の制約条件になってしまうことが多い。しかし、日本の金型業界を一つの金型メーカーとして捉えれば、設備も人もそろっていて、何でもできるはずだ。円安に加え、日本のユーザーも高品質なものづくりを求めている今、高付加価値の金型を作ることができる日本企業にとってはチャンスだ」。

金型新聞 平成28年(2016年)2月10日号