600㌧油圧プレス機

厚さ0.4〜3.2mmの薄物

 厚さ0.4㎜~3.2㎜の薄板、800㎜の深絞りを生産できる工場で自動車部品はじめ大型建機、農機、オートバイ、家電製品、スマートエネルギー装置用外装、工具キャビネットなど各種部品を設計・デザインし、金型製作、プレス加工、さらには溶接・塗装・検査・組立・出荷まで一貫生産するところを得意技にしている。近年は、創業からの基礎技術を生かし、最新鋭レーザ・タレパン複合加工機やファイバーレーザー溶接機などの新規設備を順次導入し、LED照明器具灯具やモニタースタンド、電子看板、大型ビジョンなど、何れも日本初のオリジナル商品を企画、開発し、ヒットを飛ばしている。市場の変化を巧みに読み、改革に挑み続ける濱田プレス工藝(濱田敏子代表取締役)の京都工場(京都府綴喜郡宇治田原町)を訪ねた。

★最新鋭レーザー複合機。_R
最新鋭レーザ溶接機

 取引先は現在、近畿圏を中心に北は北海道、南は九州まで、毎月定期的に取引のある企業だけでも70社を越え、案件ごとに取引がある企業を含めると150社を数える。何れも、「プレスは藝術」品格ある製品の完成を目指す、とする創業者・濱田五十吉氏の志を繋ぎ、30代の若い人たちが中心になって大手電気メーカーはじめベンチャー企業など新たな取引先を広げている。

 プレス加工の数量は、最小1個から最大10万個以上の多品種変量を一貫生産する。

 大きさは、手のひらに乗るもの(空気清浄器の中に入るステンレス部品)からオイルパン、建機用外装品、オートバイ用フェンダー、農機具用外装品、パラボラアンテナ、最近はエネルギー(太陽光発電の部品生産)まで幅広い。順送プレス、単発の量産部品もある。

 設備機械は、600t、500tクラスの大型機械プレス(9台)から250t、150tの機械プレス(30台)、プレスブレーキ、スポット溶接(40台)、アーク溶接、紛体塗装などあり、金型製作には各種工作機械をそろえている。一貫生産を成せる「技」がここにある。

★田嶋裕治経営企画室長。 ★配光角度調整機能付きLED照明。_R
左:田嶋室長  右:配光角度調整機能付LED照明

 一方で、田嶋裕治経営企画室長はじめ若い人が中心になってオリジナル製品の開発・生産を活発に進めている。
タレットパンチプレス、レーザ加工機、昨年はレーザ・タレパン複合加工機など新しい設備を導入し、オリジナル製品の開発・生産を積極的に計っている。その代表例を紹介すると―。

 先ず、LED照明器具。

 配光角度調整機能を標準装備した高天井用LED照明を商品化した。市場の高天井用のLED照明器具は、照射範囲が固定されているため死角を生み出すことが多くあったが、同社は、LED照明器具に角度を微調整する機能を取り付け広域照明に成功した。評判が伝わり、今やLED照明器具は、大手自動車メーカーの工場、スポーツ施設、物流倉庫、医療施設、駐車場、公共施設、自動車販売店など幅広いところで採用されている。最近は、施工も引き受け、各企業の用途・条件を聞き照度設計や工事方法などを提案するきめ細かな営業も行い、好評。

 「この商品は、現在のところわが社の独占。設計から検査まで品質保証して出荷する。営業・技術のメンバーは第2種電気工事士の免許を取り、工事業者との打合せや施工も請けられるようにしている」とは、田嶋室長。

 もう一つのヒット商品は、電子掲示板。既に、駅のホーム、コンビニ、デパートなど幅広いところで採用されている。種類は、100、200、250、300シリーズがあり、屋外型高輝度液晶スタンド、LEDディスプレイスタンド(スタンダード、ハイエンド)カタログスタンドなど用途を広げている。さらに曲面を表現できる大型ディスプレイ製品も市場に投入し注目を集めている。

 田嶋室長は、「基本は、いつも濱田代表から、日本で初めてのものを作ってきた企業であると言われ、照明器具も特長ある固有技術を生かしたLED照明を作り、製品を出す時は、何故、濱田プレスがわざわざやっているのかということを実証するようにしている」のが、ヒット製品に繋がっているとしている。

 最後に濱田代表は製品開発について、「創業者で父である濱田五十吉は、わが社は無から有を生み出し、社会に、世に真に役立つモノ造りをする。そのためには、毎日が試練・訓練・鍛錬の人間道場。すなわち心を磨き、心を創る。この精神が未来永劫に続く事。ひとが大切、人間愛を大事にした。わが社はそうした考え方の会社です」と、企業のあるべき姿を語りました。

日本産機新聞 平成28年(2016年)2月25日号