既存顧客に新商材

Webの重要度まだ低い

1面、2014年度機械工具商が優先的に取組むテーマ。_R

ことし7月上旬、機械工具商社に「経営の現況と近未来」について、アンケートのお願いしたところ、「2014年度に優先的に取組む課題」は、微妙な変化が現れた。上位3位までは、昨年と同様に「既存ユーザーに新規商材の提案」(15%)、「既存分野の新規・休眠ユーザーの開拓」(13%)、「新規分野のユーザー開拓」(12%)が占めたが、各課題は“比率”を高めた。例えば、「既存ユーザーに新規商材の提案」は、昨年比5ポイント増の15%、「既存分野の新規・休眠ユーザーの開拓」は同3.2ポイント増の12.7%、「新規分野のユーザー開拓」は同3.5ポイント増の11.5%と、それぞれ重要度を増した。一方で、話題の「仕入れ先とのWeb取引導入・拡大」と「顧客とのWeb取引導入・拡大」は前年の0.5%から今回はゼロになった。この微妙な増減の変化についてまとめた。関連は2、3面のアンケート分析を参照下さい。

 アンケート結果を複数の業界首脳に問うと、一人は、「メーカーはグローバル化への対応や新製品の市場投入などで常に変化するが、販売店は常に一歩遅れるもの」(大阪市西区)と言えば、もう一人は「Web取引は販売アイテムの一つに加わったが、重要度はまだ低い」(名古屋市中区)と読む人もいる。また、「ぬるま湯が次第に熱くなっているにもかかわらず、その熱さに気付かないでいるのが販売店」(東京都中央区)と、厳しく指摘するご隠居もいる。
 振り返れば、昨年秋、大阪機械器具卸商協同組合が創立100周年記念事業で、トップリーダフォーラムと若手経営者10人による「業界将来像」の発表を行い、かなり突っ込んだ提案は、会場に集まった人の心を大きく揺すった。
 曰く、業界の将来は「国内市場が今の半分になる」「ライバルは近所の工具屋にあらず」「生き残るためのコンセプトはFifty、仕事を半分入れ替える」とか「誰もが進む方向に成功の文字はない」と、独自の経営スタイルと方向性を示唆する提案もあった。
 今年4月、消費増税がスタートした。また、各種投資減税(生産性向上設備投資促進税制、グリーン投資減税、IT投資促進税制など)が動き出し、業界は新たな踊り場にある。以下は、課題とした、主要項目の「選択した理由」と「具体的な取組み」に意見を寄せてくれた一部のナマの声を拾い出した。
 
 既存ユーザーに新規商材
1位の「既存ユーザーに新規商材の提案」を選んだ販売店は、理由について、「新規開拓は時間が掛かり、人手不足でフォローができない。既存ユーザーに先ず新商材を提案する」ことを上げた。また、「自社の既成概念を打破し、商品の幅を広げる」、「手っ取り早く売り上げ増をねらう。これを地域・業種に横展開する」など具体的な取組みを寄せてくれた。
 このほか、「新人社員の教育を兼ねて実績のない商品の提案をする」や「新規商材でもオンリーワン商材(中国など国内外問わず)を提案し、粗利を稼ぐ」とした意見もあった。

休眠・新分野の開拓も

 既存分野の新規・休眠
次に2位の「既存分野の新規・休眠ユーザー開拓」は、「地方には工具商のサービスが行き届いていないところがある。先ず既存分野を掘り下げる」「国内は、じり貧。中小企業向け販売を強化する」と、する意見や「開発商品により口座開設や休眠ユーザーとの再取引が不可欠」と、する販売店もある。
 
 新規分野のユーザー開拓
3位の「新規分野のユーザー開拓」は「食品工場のPR」や「既存ユーザーだけでは、時代変化の落ち込みがある。全営業マン対象に毎月新規ユーザーの開拓会議を起こし、積極的に取組む支持をしている」とした意見や「リスク分散のため、既存ノウハウを他分野に応用する」企業もある。
 
 既存ユーザーの新規部署開拓
ベスト3以外では、例えば、昨年比6.2ポイント増の8%となった「既存ユーザーの新規部署開拓」では、「シェア拡大を目指し訪問件数増」を計る企業や「得意な商品を扱っても利益が取れない。取引時間や作業時間を短くし高粗利品に時間を割く」ところ、「総務部への売り込み」を掛ける企業もある。
 
 新規分野の商材の取扱い
また、「新規分野の商材の取扱い」は、前年に対し2ポイント増となった。選択理由に「3Dプリンターの取り扱い」や「水の宅配事業」に参入するところもある。この他、環境機器に取り組む企業はあるが、「既存の問屋には良い商品がないため装置を開発する大手企業と手を組み共存を計る」ところもある。
 
 人材育成の強化
人材育成は、各企業とも重要視。順位として4位に位置し、今回は前回比4ポイント増の10.3%となった。「商品を売るのでなく人を売る。人間関係が大切」とする意見が多い。また、「顧客満足をいただくにはスピーディーな取組みが求められる。毎月1回全社員対象に勉強会を実施」「メーカー勉強会に行かせ、常に新しい情報をお客様に提案できる仕組みを取っている」企業もある。また、会社ぐるみで「先輩が若い人をマンツーマンで教育」しているところもある。
 
日本産機新聞 平成26年(2014年)8月5日号